GR10

高校ぐらいからずーと街撮り中心。昔は、中古で手に入れたF2とか使っていたのだが、目立つのもナニですし…と、いつの間にかコンパクトカメラを中心に使うようになった。FUJIのティアラとか、何も出来ないけど写りはそこそこちゃんとしてて安いやつをずっと使っていた。

かつての円高の時にLeicaⅢfをイギリスから購入してからは、その絶妙な重さと手触りとフルマニュアルの儀式的な手順が気分的にここちよく、そればかりを使うようになった。しかしながらフィルムの入れ替えが面倒。さすがに街を歩きながらの交換は厳しい。まぁそれもいい間の取り方なんだが、面倒は面倒。

ってことで、8年ほど前に中古でGR10で入手。しばらく使っていたが、いつの間にかデジカメがそこそこ使えるようになってきて、そちらの方を使うようになっていつしか埃まみれの遺物化。

今回、若者がフィルムカメラを欲しているとかいうのを聞いたので、ズーミングや露出補正とか一切なにもできないこのGR10というのも、フレーミング一本勝負でいいやね…と差し上げることにして、久々に埃を払ってみた。TX400のフィルムがあたらしいまま入ったままだった。電池は生きてたみたいでONするとにゅぃ~んと沈胴レンズが伸びてきて、シャッタを押すと巻き取る音がする。

カメラ屋に行ってCR123Aの電池とPROVIA 400のポジフィルムを買ってきて、家から駅までの道のりで試写。シャッター押すごとにフィルムを送るワインダーの音が懐かしい。ちゃちゃっと撮って堀内カラーの代行窓口のあるビックカメラの有楽町店へ出す。そういえば、まだフィルム使ってた頃は五反田や品川に堀内やらクリエイトやらプロラボの窓口あったのに、さすがに絶対量がかなり減ったんだろう。東京ですら各社数カ所しか窓口やってない。E-6現像はまだ当分あるだろうけど、コダクロームのK-14現像はもう処理自体が終了しちゃったもんね。

62年生まれの私は、カメラ本体が庶民価格になって入手しやすくなり、そしてオート化。フィルムも多様になり、特にカラーフィルムの性能が格段に進化した。印画紙もバライタのみからRCへの移行と高級バライタの登場。格安DPE屋も出てきて質より量の学生にはありがたかった。街角にはメーカーラボよりもちゃんとしたモノクロ現像をそこのオヤジが自家処理する写真屋もふつーにあったし。そしてデジタルへ。

そう考えると、写真やるには一番面白い時代に写真やってこれたのかも知れないなぁ。