写唄祭に至るまで

6年ほど前に現在の居住地に引越し、13畳ほどのフリースペースができたのでPanasonicのTH-AE500ってなデータプロジェクターではなくてホームシアター向けのエントリー機種を買った。

DVDの映画をみたり、たとえばクラブのイベントでVJが流す映像ぐらいな用途では十分だったが、静止画の写真をスライドショーするには、ちと眠いというか、キレがなく、写真の印象が伝わってこない。

3年ぐらい前に、それを人に譲ることになったので、SANYOのLP-Z3000というFull HDなプロジェクターに買い換えた。さっそく、違いを確認ってことで映画・レッドクリフのBDを買ってきて再生してみた。

レッドクリフという映画自体にはまったく興味はなかったんだが、撮影からBD発売前提で作ってるであろうことと、CG処理とか多いだろうし解像度具合をみるにはちょうどよいかと思って買ってみた。

さすがに1920*1080pixelとなると静止画でもシャープ。720pとの差は大きい。これなら写真でも使えるなあというのがその時の印象だった。その後、ゲームもしないのにBD再生やDVDアプコン再生用としてPlaystation3を買ったりして、映画鑑賞を中心に使っていた。3年前に、唄い手と作品を交換しあって、それぞれに合うイメージを新たに創作し、それをライブで同時に流したら面白いのではと、写唄のイメージを思いついた。まだ、おぼろげなイメージだった写唄の企画をカタチにしようと相方はどうしよう…と、思いついたのが10年近くの付き合いになる旭川の唄い手・高橋真樹くん。

一昨年夏に私から5つのスライドショー「残像」「うたかた」「旅の情、情の旅」「2007」「想い出の街」を彼に渡し、彼からは「umi」「本名~五衛門にて~」「どんくん」「gogatsunosakura」「あいこ」の5曲の唄が届いた。ライブで順に流して飽きのこないように、雰囲気の違う作品を作らんと…だし、ましてや届いた作品は相手が選んだもので、テーマがそもそも自分の得手不得手とか関係なく届いたものに合わせるしかない。縛りだらけで予想以上に困難を極めた創作だった。

で、なんとか冬に出来上がり、昨年末にそれぞれの地元、東京と旭川で「写唄」ライブを開催。その音源とスライドショーを元にして今年の5月にPHOTO SLIDE SHOW MUSIC DVDとして発売となった。

めでたしめでたしとなったところで思いつく。こんな苦労は他にも味わってもらわんと…ということで、京都の岩井正樹くんをそそのかして苦悩悶絶の追体験をしてもらった。

そうして、今回の「東西写唄祭」となったのである。